webで読んだ漫画の感想を備忘録的に書いていく。
「片田舎のおっさん、剣聖になる」。
出版は秋田書店、原作は佐賀崎しげる、漫画は乍藤和樹。無料で読むには、webだとニコニコ静画。
なろう原作だが、主人公の性格が漫画版と小説版ではかなり違うので、原作というよりは設定をそのままもらった改変版みたいな感じ。
田舎の剣術道場で謙遜しまくって生きてた中年の剣士が実は滅茶苦茶強いという話。
原作小説の主人公は、性格が良くてクズではないこのすばのカズマさんみたいな、軽い感じの一人称視点小説だが、漫画ではなんかとても真面目な感じになっている。
謙遜しまくってる部分は小説と同じだが、原作の軽い感じが無くなってしまっているので、ちょっと卑屈感が強く出ているのが漫画版の特徴。
片田舎のおっさん、剣聖になるの感想
なろう系でよくある無能に見えて実は有能系の話。ただ、無能と思っているのは自分だけで、主人公に関わった人はだいたい彼の実力を認め理解している。
そんな周囲の人に押し出されて活躍していくストーリー。
「またオレ何かやっちゃいました」すら頭に浮かばない謙遜型の話。
小説のほうは軽薄な感じの主人公の一人称視点で進み、軽く読める話だが、漫画版は主人公のキャラ造形をかなり変更しているため、結構別物な読み心地になっている。小説版が好きな人は漫画版はイマイチだし、漫画版が好きな人は小説版は違和感を覚えるかも。
漫画版のほうが主人公が真面目というか、自分をすごく下に見せる感じで、小説版の軽さがないため、人によっては謙遜しすぎなんじゃないと疑問に思ってしまうかも。
現実世界には「自分みたいなのができるんだから…」みたいに自分を下に見せるふりして実はできない人を馬鹿にしているような人がいるが、漫画版の主人公も描写を一歩間違えるとそこに到達しそうなのが怖い。今のところそこまではいってない感じで、本当に真面目に自己評価が低いだけのすげーおっさんという感じ。
関わる事件が少しずつ大きくなり、敵が強くなり、というのは王道的な展開だが、どこまでこの感じで行くのか、原作通りに進めるのか、変化するのか。原作ありの作品はその辺りが結構難しそうだなと思ったりする漫画。