webで読んだ漫画の感想を備忘録的に書いていく。
今回は「何度、時をくりかえしても本能寺が燃えるんじゃが!?」。
令和のフリー素材信長はここまで来た。
タイトルが長いので、「タイムリープ信長」と勝手に呼んでる漫画。
出版社は講談社、原作・井出圭亮、作画・藤本ケンシ、無料だとニコニコ静画の水曜日のシリウスやヤンマガwebで読める。アプリだとマガポケ。
本能寺で信長が死ぬとタイムリープしてやり直す漫画。
途中で選択肢をミスると炎上している本能寺に飛び、そこで死ぬと再度やり直し。
信長の行動が正史から変化するにつれて、世の中の情勢も変わっていく。
何度、時をくりかえしても本能寺が燃えるんじゃが!?の感想
タイムリープものは古典作品からして結構存在し、エンタメ作品としてもケン・グリムウッドのリプレイ以降、ゲームやアニメ、小説でもよく取り上げられる。オカリンとか、ほむほむとか、吉良上野介とか。
リプレイをもとにした日本のドラマとかあったよね。
信長も日本の創作では小説やら漫画やらで何度となく使われてきたよくある話。
その2つを悪魔合体させて作ったギャグ要素ありの漫画。
史実では、信長は本能寺の変で明智光秀の手勢に討ち取られるが、タイムリープごとに行動を変えることで、未来が変化していく。
ただ、上手くやらないと結局本能寺で焼き討ちされるわけで、その選択肢をめぐって試行錯誤を繰り返す信長、というのがストーリーの軸。
明智光秀を先に処分するだけでは、結局他の武将(柴田勝家とか)に本能寺を焼き討ちされるため、死に戻りをしながらどうすればよいのかを探りつつ、信長自身が突然時間を飛んでしまうので、その飛んでしまった部分をミステリー仕立てに推理しつつ、信長が行動を決定していく。
昔懐かしのゲームブックのような感じ。
史実を上手く使いつつ、面白いifをちりばめながらストーリーを組み立てている感じ。
秀吉と一向宗や、家康の扱いなど、随所に歴史ネタifのセンスが見えるところが好き。
歴史のもしもをを楽しむ漫画ではあるが、登場人物のキャラ造形は結構はっちゃけた雰囲気で進むので、堅苦しくなくて手軽に読める。
信長のキャラ造形も、ある程度既存のイメージを踏襲しつつ、柴田勝家に「脳筋」という言葉を使った自分を自画自賛して「斬新秀逸」と評価するなど、ノリの良い信長像を作っていて、随所にギャグよりのテンポを取り入れているので歴史好きでないほうがとっつきやすい漫画。
その分、史実警察には向かない。
結局ifストーリーなので、最終的に着地点をどうするかで完結後の読後感が大きく変わりそう。
今後も期待大。