北斗の拳 世紀末ドラマ撮影伝【webで読んだ漫画の感想】

webで読んだ漫画の感想を備忘録的に書いていく。

今回は「北斗の拳 世紀末ドラマ撮影伝」。

北斗の拳のパロディ。

「もしも、北斗の拳が実写ドラマだったら!?」というていで書かれるギャグマンガ。


出版社はコアミックス、原案が武論尊、原哲夫、作画は倉尾宏、無料だとゼノン編集部で読める。あとニコニコ静画。アプリはマンガほっと。

漫画の舞台は199X年、ではなく、北斗の拳の連載が開始された1983年。

北斗の拳のオリジナルは実写ドラマである、という設定のパロディ漫画。

「北斗の拳というテレビドラマ」を「撮影」していく様を描いていく。

原作を知っている人は爆笑必死。

原作を知らない人は一度原作をさらっと通してきた方が面白い。

80年代のドラマ制作でありそうな話をいろいろちりばめている部分は、過去の文化を知らない人にとっては、漫画とは別の部分で参考になるかも。

北斗の拳 世紀末ドラマ撮影伝の感想

原作を擦ったパロディ漫画としては過去に「北斗の拳 イチゴ味」がある。


ケンシロウとユリアとトキで、核爆弾が落ちる時にシェルターに入るシーン(シェルターの御夫人とか)など、原作を知っている人にとっては思わず笑ってしまうネタが満載の漫画だったが、「擦る」方法に少し変化を加えた感じの漫画。

80年代のドラマという設定があるため、イチゴ味のように原作とほぼ同じような絵柄を再現できなくても、逆にそれが良い味になっている。

原作を知っている人からすると、「ああ、確かにもしドラマだったらこんな感じかも!」と納得してましうようなエピソードづくりが上手い。

秘孔をつかれての爆発、あの有名な断末魔、種籾のシーン、高所からのジャンプ、人形を見間違える、などなど、とにかく原作のシーンを撮影に見立てて擦りまくる。明らかに北斗の拳を知っている人をターゲットにした漫画。

その分、知らない人は置いてけぼりになるが、「北斗の拳 世紀末ドラマ撮影伝」から原作に入ってもらえれば、それはそれでおいしい、という思惑もあるかも。


撮影伝的な大きな問題は原作を「どこまで」やるのか、かなと思う。

ラオウまではやって欲しいし、サウザーとか南斗とか、擦るネタはたくさんあるしで、ネタ的にはつきないと思うが、どこを飛ばさず、どこを取り上げるかで、面白さの大きさが変わりそう。

ラオウまでやりつつ、撮影伝も終わったように見せて、アニメの北斗の拳2的にドラマも漫画も復活的な設定でカイオウまでやるのか、などなど予想はできるけど、着地点を間違えると尻すぼみしそう。

読者層の記憶という意味で、ラオウがマックスだと予想すると、ラオウをクライマックスにしないと、ラオウ後の話は、読者の記憶的な問題で、盛り上がりにかけるようになるのかもしれない。

このまま斬新なネタで原作を擦り続けて欲しい作品。

期待大。