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ゲーミングPCを買うならば一番重要になるパーツが「グラフィックボード」です。
このページでは、グラフィックボードとは何かという簡単な説明と、GPUの二大製造メーカーについてと、実際にボードを販売しているメーカーについてと、性能の判別方法などについて記載していきます。
正直、購入だけを考えるのならば、知識はそこまで必要ありません。
触りだけでもちょっと知識が欲しい、という人向けの簡単な内容になります。
グラフィックボードとは
- グラフィックボードとは映像や画像出力処理特化したボードのこと
- CPU内蔵の画像処理機能はあるが、性能は低い
- PCである程度のゲームをプレイするためには必須
- 性能が良ければ値段も高い
呼び方がいろいろでして、ボードではなくカードと言ったり、グラフィックではなくビデオと言ったりします。ビデオカードとかグラフィックスカードとか、ビデオボードとか。
基本は全部同じものを指してまして、PCで「映像」や「画像」を映すための装置の名称になります。
CPUやマザーボードの中に、このグラフィックに関する機能がくっついていたり、含んでいたりする(オンボード)ので、普通にPCを使う分には、わざわざ個別に「グラフィックボード」をつける必要は、実はありません。
ですが、オンボードグラフィックは、あまり性能が良くありません。ゲームをプレイするには、ある程度以上の映像処理性能が必要になるため、必然的に「グラフィックボード」を別につける必要があるのです。
ゲームにもよりますが、オンボードだとゲームが起動すらしないものもあります。
最近のPCゲームはこの「映像」を出力するのに、かなりの処理能力を必要とします。特に、3Dグラフィクスのゲームが出てきてから、その方向性が顕著になってきました。
グラフィクスの進化と共に、グラフィックボードも進化し、またグラフィックボードが進化することによって、映像もまた発展していく、という風に、相互に大きな影響を与えながら発展してきています。
3Dゲームをプレイするにはなくてはならないものですし、グラフィックボードの性能が、快適なプレイができるかどうかの非常に重要な要素の1つになります。
もちろんですが、性能が良ければ良いほど、綺麗なグラフィックスで快適にプレイできますが、それに比例してお値段が高い、ということにもなります。
他の部品も、もちろん重要な要素になるのですが、ゲームをプレイするならば、まず一番最初に考える必要があるのが、このグラフィックボードになります。
GPUとグラフィックボード
- GPUは映像処理に特化した半導体
- グラフィックボードはGPUを搭載したボード
- 出力や冷却などの機能も搭載した一つのパッケージがボード
- GPUの二大メーカーがNVIDIAとAMD
- グラフィックボードメーカーはたくさんある
GPUとは、「Graphics Processing Unit」と呼ばれる、画像だったり映像だったりに特化した演算処理を行う半導体の事です。
CPUはOSの制御や周辺機器との接続など、映像処理以外にも様々な処理を担っています。GPUは、その中で画像や映像出力系に特化して処理を行うように作られています。そのため、非常に高いグラフィック処理能力を持っています。
要は、CPUの処理の一部(グラフィック系)を肩代わりしているもう一つの頭脳みたいなものです。
それがGPUになります。
じゃあグラフィックボードって何なのよ、となりますが、この「GPU」も含めて、ボード内にいろいろとくっつけたのが、グラフィックボードになります。CPUが載っているボードはマザーボードですが、GPUが載っているボードがグラフィックボードです。
GPU以外にも、VRAMというグラフィックボード用のメモリー、HDMIなどの出力装置、PCIのようなシステムとつなげるためのインターフェース、冷却用のファンなどがついているボード全体を、グラフィックボードといいます。
アマゾンなどで、グラフィックボードを検索すると、「ASUS GeForce RTX 2070」なんて感じで出てくると思いますが、これはASUSというメーカーが作った、NVIDIAのgeforce RTX2070のGPUを積んだグラフィックボード、ということになります。
GPUという演算装置を作っているのがNVIDIAとAMDで、そのGPUを使って、グラフィックボードを作っているのがMSIとかASUSなどのメーカー、という感じですね。
同じGeForce RTX 2070のGPUを使っていても、その他の装置(出力とか冷却装置とか)がメーカーごとに違ってきます。
グラフィックボードを選ぶには、まずこのGPUの性能を見て、次に、メーカーがどんな形で「ボードにしたのか」を比較することになります。
NVIDIA geforceとAMD RADEON(GPUのメーカー)
- 二大メーカーNVIDIAとAMD
- NVIDIAはGeforceシリーズ
- AMDはRADEONシリーズ
- Geforceシリーズ公式ページ
グラフィックボード内にはその演算を担うGPUという装置があるということを前述しました。
このGPUを作っているメーカーが二つあります。
それが「NVIDIA(エヌビディア)」と「AMD(エーエムディー)」です。
基本はこの二社しか作ってないみたいなんですよね。昔は他のメーカーも微妙に名前を見たことがあるのですが、最近では全然聞かなくなりました。なのでこのページではこの二つの会社だけ取り上げます。
よく、MSIやASUSのグラフィックボードを見るかと思いますが、こちらはこのGPUを使ってボードを作っているメーカーさんになります。
とはいっても、NVIDIA自体もボードとして販売したりしてるんですけどね~。あんまり在庫を見ないので、ほとんどメーカーさんのボードを買うことになります。
NVIDIA GeForce(ジーフォース)と性能の見方(目安)
- NVIDIAのGPUシリーズがGeForce(ジーフォース)
- ゲーミングPCでは定番
- 基本はこれを買っておけば問題ない
NVIDIAが開発しているGPUシリーズが「GeForce(ジーフォース)」です。
昔からゲームと言ったらこのグラフィックボードって感じです。昔は後述するAMDのRADEONってシェアも知名度もあんまりなかったんですよね。なので買おうと思ってもあんまり見かけませんでした。
そういうのもあって、必然的にこのGeForceシリーズを見かけることが多かったです。
型番から性能をなんとなく把握することができまして、最新のRTXシリーズを見てみたいと思います。
RTXとかGTXとかいうグレード
- 「RTX」 2018年に登場 最新のグレード
- 「GTX」 2008年ぐらいに登場 まだまだ現役
GeForce RTX 2070、というGPUがあった場合、RTXはグレードを表しています。昔はGSとかGTとかあったんですよね。
2019年だと、一番上のRTXとその下のGTXが販売されているので、まあそれだけ覚えておけば良いと思います。
2080とかの4桁数字の最初の二けた
- 「GeForce 20シリーズ」 2018年に登場 現状一番性能の良いシリーズ
- 「GeForce 16シリーズ」 2019年に登場 20より後に出たミドルクラス中心のシリーズ
- 「GeForce 10シリーズ」 2016年に登場 一昔前のシリーズ。高機能版はまだまだ現役
- 「GeForce 900シリーズ」 2014年に登場 ふた昔前のシリーズ。
次に、4桁数値ですが、最初の二けたがシリーズで、後の二けたが性能になります。
一番新しいのが、RTX20シリーズで、次にGTX16シリーズ、その前がGTX10シリーズです。
2019年以降に購入する人は基本は20シリーズか16シリーズになるかと思いますので、それだけ覚えとけばよいかと思います。性能と価格で以前のものと比較したい場合は10シリーズぐらいまで、ですかね。
2080とかの4桁数字の下の二けた
- 「oo80 Ti」 最近だとだいたいそのシリーズの一番上の性能 お高い 10万~15万ぐらい
- 「○○80」 非常に高性能 お値段もそこそこ高い 7万~10万ぐらい
- 「○○70」 性能としては十分高い フレームレートを稼ぎたい人はここ以上を選択 5万ぐらい
- 「○○60」 標準クラス その時の3Dゲームで大体奨励環境になる 入門向け 3万ぐらい
- 「○○50」 廉価版 性能を非常に抑えた安いもの お試し向け 1.5万ぐらい
- 「○○○○ SUPER」 2019年に登場、4桁数値の上位モデル
- 「○○○○ Ti」 4桁数値の上位モデル
4桁数値の下二けたが、性能になります。
数字が大きいほうが性能が高くなります。昔は10とか45とか90とかあったんですが、最近は50~80のものが多いです。稀にそれ以外の数字がつくこともありますが、あんまり見なくなりました。とは言っても型番なので、必要になったら小さい数字もつくとは思います。
数字の後に文字がつくもの(tiとかSUPERとか)は基本無印数字版の上位モデルになります。
上の箇条書きは2019年ぐらいの傾向値として見てもらえればと。価格も結構変動しますし。
10シリーズとか900シリーズあたりから、だいたい○○60シリーズあたりが、その時に販売されているゲームの奨励環境になっていることが多いですね。
これは対人戦のシューターゲームに限ってですが、普通のグラフィック設定で、フレームレートが60FPSは安定して出るぐらいって感じです。
ゲームによっても差異があるので一概には言えないのですが、そこそこのグラフィックのゲームの奨励環境に指定されているグラフィックボードは、一つの目安になります。
奨励環境よりも上のグラフィックボードならば、フレームレートが稼ぎやすくなります。GTX1060が奨励環境のゲームの場合、1070や1080を使えば、同じ設定でもフレームレートが出る可能性が高くなる、といった感じで判断できるんですよね~。
ディスプレイの値段との兼ね合いもありますが、フレームレート144FPSは有利不利が大きく出やすい一つの基準なので、ガチでプレイしたい人は、この144を目安にすると良いと思います。
まあ、奨励環境より上のグラフィックボードを使えば、ゲーム自体が重くない限りは、グラフィック設定で大体144出ます。数字が小さいほどグラフィクスの設定で妥協する部分が大きくなる、と考えると良いと思います。
逆に、奨励環境より低いグラフィックボードを使うと、どんなに頑張っても限界があります。
グラフィック設定を全て低にしても、90FPSぐらいしか出ない、なんてのを味わったことがあります。
なのでフレームレートに拘る人は、お金を惜しんでグラフィック設定でどうにかすることを考えるよりも、高いボードを買ったほうが断然良いです。新しいシリーズの70か80を買うことをオススメします。
予算がつらいという方でも、50や50tiは避けたほうが無難です。最近の50シリーズは完全にお試し用グラボになります。3Dのゲームをプレイしないなら50でも充分ですが。
AMD RADEON(レイディオン)と性能の見方(目安)
- 昔はクリエイター向けや映像出力に強かったメーカー
- 最近ではゲーム用でもシェア拡大
- 根強いファンが多い
- AMD RADEON公式ページ
昔はどちらかというと、クリエイター系の人向けのGPUという位置づけで、自分はあんまりゲームで見たことはなかったのですが、最近ではゲーム用途でも使用されることが多くなってきました。
性能面でも、得意不得意はあっても、総合的にはNVIDIAとあんまり変わらないみたいで、愛用している人も多いです。
とは言っても、昔はたまにサポートされていないゲームとかもあったりしたので、一応確認したほうが良いかもですね。最近ではほとんどのゲームの環境にAMDも入っているので、基本は問題ないかと思いますが。古いゲームや古いフリーソフトはNVIDIAなら動くのにAMDでは動かない、なんてことを良く聞きました。古いソフトを使いたい場合は注意が必要です。
性能の見方なんですが、Radeon RX590とある場合に、Rの部分がシリーズの世代です。R、HD、X、無し、といった感じで、Rが一番良い世代のものになります。
次のXの部分がシリーズ内の性能差になります。X、9、7の順です。
次の590の5部分が、シリーズになり、Vega、5~1の順になります。vega以外は基本は大きい数字が上と覚えれば楽です。
次の90の数字が、シリーズ内の性能差で、NVIDIAの下二けた数字と同じような感じです。
NVIDIAの型番よりもぱっと見でわかりづらいのは、多分似たようなアルファベットをいろんな場所で使ってしまうからかな~と。
ゲーム用途としては、NVIDIAほど情報が多くないので、性能を把握する際には注意が必要なメーカーでもあります。
グラフィックボードのメーカー
次にグラフィックボードのメーカーについてです。
GPUにはNVIDIAとAMDがあると記載しましたが、「グラフィックボード」にも各種メーカーがあります。
二大メーカーのGPUを搭載したグラフィックボードを作っているメーカーは結構あります。
ASUS、MSI、GIGABYTE、ZOTAC、ELSA、玄人志向、あたりがよく見るメーカーでしょうかね。
- 「ASUS」 PCなどでも有名なメーカー。ちょっと高めだけど信頼性高め。
- 「MSI」 静音・冷却性能に特徴あり。市場で良く見る人気メーカー。
- 「ZOTAC」 普通の性能。その分価格が抑えめ。
- 「GIGABYTE」 安め。価格抑えめの構成で良く見る。安くてもちゃんとしてる。
- 「玄人志向」一番安いけど、サポートとかはほぼ無し。余計なものを省いた玄人向け。
- 「ELSA」 保証が手厚い。品質が良い。高い。
- 「ASRock」」 RADEONを買うならば選択肢に
メーカーについては「傾向」なので、その時々で結構変わります。GTX10シリーズの時は良く見たけど、RTXだとあんまり在庫なかったのかすぐ売れてしまってあんまり見ないな~とか。価格の変動も大きい分野なので、参考程度にどうぞ。
基本はASUSかMSIを買っておけばほぼ問題ないです。初期不良はどのメーカーでも当たるときは当たります。
ZOTAC、GIGABITEも、性能として問題ありません。価格で選んで良いと思います。玄人志向は詳しい人向けですかね。
基本は同じGPUを使っているので、細かいことにこだわりがなければ、あまり変わりません。
ただ、クロック数のセッティングやファンの機能、出力ポートの種類や数などは結構大きく違うので、そういったところにこだわりがある人は、きちんと比較するべきです。
まあ、そういうところまで気にする人は、こんなページ見てないでしょうけど…。
ここに上げた以外にもマイナーなメーカーはいっぱいあるのですが、ちょっとPCでゲームプレイしたい~という人にとってはあんまり関係ありません。
普通にゲーミングPCを買いたい人にとっては、オーバークロックとかを気にするよりも、普通のを普通に買うのが良いです。故障の対応なども大きいところのほうが対応は楽ですし。とはいっても故障したらどこのメーカーのものを買っていても手続きはめんどいですよね~。これはまあしょうがないです。
ASUS
PCに興味のある人で知らない人はいないですよね~。台湾のボードやPCのメーカーです。
昔の日本法人はアスースだった気がするんですけど、最近ではエイスース呼びに統一しているようですね~。
自分はマザーボードとか液晶メーカーという印象が強かったのですが、最近ではノートPCやスマートフォンも普通に出していて、ボードからPCまで、総合的なPC系のメーカーといった感じになってきました。
ASUSの機材は結構持ってますが、どれも普通に使えてますし、何か問題があったということもないですね~。
グラフィックボードでは、GPUのクロック数が高めに調整されていることが多いですね。
クロック数が高い性能は出やすいですが、その分の負荷も大きくなり、発熱も大きくなるため、良い部品を使う、という傾向にあります。
そういう意味では少し高めの値段設定になることが多いですが、この辺りは市場での値段設定などもあるため、一概には言えません。
迷ったらとりあえずASUSで良い、というぐらいのメーカーです。
MSI
MicroStar International(マイクロスター・インターナショナル、MSI)なんですけど、日本法人はエムエスアイコンピュータージャパンなので、そのままエムエスアイって呼ばれてますね。
ASUSと同じく台湾のメーカーで、マザーボード・ビデオカードで有名なメーカーです。自分の勝手な印象ですが、グラボといったら最初にMSIが出てくる感じでしたね~。一時期一番出荷していた気がします。
現在ではゲーミングPCなども出ていて多角化してますね。
日本のメーカーにOEMで部品など供給することも多く、名前は出ていなくても、日本ではなじみの深いメーカーだったりします。
グラボに関してですが、TwinFrozrという冷却機能の独自技術があり、1080のころにはTWIN FROZR VIというバージョンでした。
この冷却機能がウリなのがMSIです。
静音も評価が高いですね。
負荷の高いゲームをプレイするとファンが回りますので、静音って意味では限度がありますが。
グラフィックボードの販売では長年の実績があり、特にこだわりがなければ、MSIで良いと思います。
ZOTAC
香港に本社があるゾタックです。
性能は普通なセッティングになっていることが多いんですけど、その分価格が抑えめで、ランキングとかでは上位に来ているのを良く見ます。
安いからといって性能が悪いわけではないので、売上のランキングなどでは評価が高いのを見ますね。
後は高性能でもミニサイズのボードも出しているのが特徴です。ただ、ミニサイズは、冷却性能などを犠牲にしていることもあるので、PCケースの熱の排出との兼ね合いも考える必要があります。
ただ、ケースが小さいと、他のメーカーだとケース内に入らないなんてこともあるので、そういった選択肢があるのが、このメーカーの良いところです。
価格メリットがあるので、メーカーにこだわりがない人にとっては良い選択肢になります。
玄人志向
バッファローとかの「メルコホールディングス」の子会社が運営しているパーツ販売のブランドです。昔は公表してなかったんですけどね~。
日本の会社になります。
玄人が厳選したPCパーツを提供する、というコンセプトで販売しています。昔は玄人向けってコンセプトだったのでサポートとかなかったんですけど、メールサポートとかやるようになってるんですね~。
サイトにサポートページができてました。
とは言っても、基本はサポートなんていらんよ、という人向けなのはあまり変わらないので、自分で調べられない人は選ぶと大変なことになるので注意が必要です。
あくまでも、自分で調べたりできる人向けですね~。
ここの製品はグラボ以外でいくつか購入したことがありますが、ちゃんと自分の目的がしっかりしていれば、余計なものがついてなくてすごく使いやすいんですよね。逆にふんわりした目的だったり、既存のメーカーのものが当たり前と思っている人は選んではいけないメーカーです。
グラボとしては価格は安めですし、売上のランキングでも上がってくるので、使っている人は一定数います。価格メリットはやはり大きいですね。
自分でいろんなことができる人は、価格メリットがあるので、選択肢として良いメーカーです。
GIGABYTE
台湾のPC周辺機器メーカーで、マザーボードやグラフィックボードが主力です。
BTOパソコンのゲーミングPCで、マザーボードで良く見ますね~。
マザーボードでもグラフィックボードでも、先に上げたメーカーに比べるとあんまり売り上げの上位に上がってこない印象があります。
マザーボードではASRock、MSI、ASUSの後で、グラボではASUS、MSIの後、みたいな。
ただ時期やスペックによっては普通にGIGABYTEのものが売れていたりするので、一概に悪いというわけではないメーカーです。メーカーにこだわりがなければ、普通に選んで良いと思います。
時期にもよりますが、上位モデルではファンを3つつけていたり、クロック数も高めに設定されていたり、と性能としては悪くない感じのグラボがラインナップにあったりします。
価格メリットがあるので、市場の価格で見て、他のメーカーと比較する選択肢の1つとして、全然ありだと思います。
ELSA
もともとドイツの会社だったのですが、本体が破産してしまい、台湾で存続します。当初その台湾のエルザの子会社だった会社が今は独立して、エルザジャパンとしてグラフィックボードなどを販売しています。
エルザのグラフィックボードはちょっと高めなんですけど、品質管理にかなり気を使っているようで、その辺りにコストがかかっているから、というのが理由のようです。保証も2年だったりと、品質に自信があるのかな~といった感じです。
あまり市場でも数を見ないですし、バリエーションもそこまでないのですが、固定ファンの人がいて、名前が知られているメーカーさんです。
買おうと思ってもアマゾンなどでもあんまり出てこないですし、機会をつかむのが難しいメーカーさんでもあります。
グラフィックボードの性能について
性能については、型番の数字で大体わかるので、あえて覚える必要はないのですが、原理というか設計というか、そういうものでもわかる部分があります。
クロック周波数とか、コア数とか、そういう部分での話です。
ただゲームのために買いたい人は、こんなことを知っている必要はないです。
- 「クロック周波数」 高いと高性能、でも負荷も高くなる。熱の問題
- 「コア数」 多いと高性能。並列処理で性能アップ。
- 「メモリー」 GPUの性能がよければVRAMも多く積まれているのであんまり関係ない
- 「補助電源」 使用プラグと電源容量に注意
- 「出力」 映像出力の対応形式。ボードによって違う。
- 「サイズ」 省スペースPCケースを使っている場合は注意
クロック周波数
CPUなどと同じなのですが、GPUも一定時間で高電圧と低電圧を切り替えることで、処理や伝達を実行しているのですが、そのオンオフを一秒間に何回やっているのか、という単位がクロック周波数です。
一秒間に100万回発信することを1MHz(メガヘルツ)といいます。
この数字が大きいほど、1秒間あたりの処理数が大きくなるため、性能が良くなります。
ただ、その分、負荷が上がり、発熱などの原因になります。
まあ、とりあえずは、クロック数が高いほうが性能は高くなるが、その分発熱も増える、程度で良いと思います。
このGPUのクロック周波数なのですが、同じ型番のGPUでも、各ボードのメーカー(ASUSとかMSIとか)の調整によって微妙に差異があります。高めに設定して冷却機能を強化している、など、そのメーカーのボードの構成によって様々なため、メーカーによって差が出る部分です。といっても、こだわりのない普通のユーザーにとっては、気にするほどの差は出ないのですが。こだわる人はこだわる部分ですね。
後述するオーバークロックのモデルを出すメーカーもあります。
オーバークロック
クロック周波数は安定して動作する部分にメーカーが設定しているのですが、それ以上にクロック周波数を上げることをオーバークロックといいます。
クロック周波数はだいたいこのぐらいの範囲内が定格、というのが決められています。その最高を上回るクロック周波数に無理やりしてしまうわけですね。
もちろん、リスクがあります。
設定されているものよりも上げるため、負荷は大きくなります。
非常に良い環境を整備したり、機械に必ずある性能のマージンを考慮に入れたりして、性能以上の動作を目指すのがオーバークロックになります。
詳しくない人は、この部分は触れないほうが良いと思います。
一応オーバークロックモデルとかも普通にメーカー(ASUSとかMSIとか)から出てるんですけどね~。
よほど詳しい人や、そういう趣味の人以外は、手を出さないほうが無難です。
ただ、極めるとすごく面白いジャンルでもあるので、興味のある人は勉強して見ると良いかと思います。
コア数
昔はCPUなどの処理装置は1つしかなくて、クロック周波数を上げることで性能を上げようとしていました。
ですが、ある時から「処理装置自体」の数を増やせばいーじゃんということで、マルチコアというのが出てきました。
1000MHZのクロック周波数だったとして、クロック周波数を上げて2倍の性能を出そうと思ったら、2000MHZにする必要があるのですが、熱など様々な問題がある…、じゃあ1000MHZのままでコアを2つや3つにしよう、というわけですね。
この開発に成功し、複数のコアで「並列処理」ができるようになったので、マルチコアの演算装置が現在の主流になりました。
1個を2個にしたから2倍になる、というほど単純ではないのですがね~。
とりあえず、コアが増えれば増えるほど、性能は上がる、程度で良いと思います。
このコア数は、GPUメーカー内の性能差で現れてきます。RTX2080と、RTX2060ではコア数が違い、性能差も違います。ですが同一の型番では基本同じになります。
なので、同じGTX2060を使っているのであれば、ASUSだろうとMSIだと、コア数は変わらないので、基本性能は変わらない、といった感じです。
このコア数は、GPUの処理能力の一因、と考えるとわかりやすいと思います。
補助電源
ある程度の性能があるグラフィックボードは、電力消費が結構大きいです。
基本は、マザーボードのPCIスロットに何か機材を指すと、そこから電力が供給されるのですが、その電力では足りないんですね~。
なので、電源から直接グラフィックボードに電源を供給する必要があるのですが、その差込口に補助電源ケーブルを指すことで対応します。
この補助電源の差込口のピン数というのが、グラフィックボードごとに違いまして、多ければ多いほど、必要電力も多い、ということになります。
増設する場合は、電源の能力と、補助電源ケーブルのピンの数などをちゃんと確認しないと、動作しないこともあるので、注意が必要です。
ゲーミングPCをBTOパソコンで買う場合は、大抵大丈夫なのですが、用意されているパーツからグレードアップさせる場合は、メインの電源の容量に注意が必要です。
出力ポート
出力は、映像出力をなんの形式でするか、という部分です。
HDMIとかDVIとか、どの形式の差込口が何個ついているのか、というのは、ビデオボードのメーカーによって差異があります。
普通にPCを使うだけならば、HDMIが便利ですが、「性能」という問題があります。まあ最近ではHDMIも144HZ対応になってきてますが。
フレームレートとリフレッシュレートの関係において、PCとゲーム側でフレームレートが決まり、ディスプレイのリフレッシュレートで表示できる性能が決まりますが、それをつなげるのが出力ポートで、そこで使用する規格で、また性能が決まります。
最近のグラフィックボードの出力の基本は「DisplayPort」です。性能も一番良く、ゲームの際はこのケーブルにしておくのが、何も考えなくて良くて楽です。DisplayPort1.4で、1080p (1920×1080) 240hzまで対応できます。
ただ、ディスプレイ側が対応していないなんてこともあるので、ディスプレイが古い場合は注意が必要です。
次にDVI形式です。昔からよくある白いプラグのやつです。ポピュラーなDVI-Dでは、1080p (1920×1080)144HZまで対応しています。昔はディスプレイを買うと必ずついているコードでしたね~。
最後にHDMIです。HDMI 2.0ならば144HZに対応しています。ただ、ディスプレイ側でHDMIの144HZに対応していないものも昔は多かったので、ゲーミングPCではあまり使われていない印象ですね~。
144Hzが安定して出せるDVIかDisplayPortにするのがオススメです。
で、この出力がボードについているのですが、これが結構メーカーによって違います。
RTXシリーズだとDVI出力がないものが多いので、その辺りも注意点ですね。「DisplayPort」が今後主流になっていくのでしょうかね~。
持っているディスプレイの接続方式と、接続方式ごとにリフレッシュレートの対応範囲があり、その出力ポートがあるグラフィックボードを使用しないと、思っていた性能を発揮しないことがあるので、この部分は注意が必要になります。
あと、たまーにあるのが、せっかくグラフィックボードをつけているのに、オンボードの出力から映像を出していたり…、なんてこともありえるので、接続はきちんと確認しておくと良いでしょう。
まあ、フレームレートに関しては、ゲーム内でも設定があったりしますし、ディスプレイはWindows側での設定が必要だったりと、ミスしやすい部分でもありますね。
サイズ
これは特にグラフィックボードの入れ替えの時に問題になるのですが、ものによっては非常にサイズが大きく、ケースの中に入らないなんてことになるのです。
大きなタワーサイズのPCケースの人の場合は、問題になることはほとんどないですが、ミニタワーとか、省スペースとか、そういう系統のケースを使っている場合は注意が必要です。
特にグラフィックボードは性能が高くなると冷却機能も良いものが乗るようになり、その分サイズがでかく、かつ、重くなるという傾向にあります。
乗せ換えの時はサイズにも注意しましょう。
デザインについて
自分はPCパーツにデザインを求めていないので、ほとんど記載していませんが、各メーカーで結構デザインが違ったりします。
色や外側のパーツの形状や、ファンの感じとか、光るとか。
デザインにこだわる人は、その辺りもいろいろ探してみると面白いかと思います。
フレームレートの重要性
ゲーミングPCで、なんでグラフィックボードが重要なのか、というのは、単純にグラボがないとプレイできないゲームが多いというのが1つの理由なのですが、もう一つが「フレームレート」になります。
「フレームレート」は特にオンラインでの対戦シューターゲームで、非常に重要な要素になります。
数少ないハード性能での有利不利が出るのが、このフレームレートなんですよね。他の要素は結構「好み」の問題が大きかったりするのですが、このフレームレートとディスプレイのリフレッシュレートは高いほうが確実に有利です。
フレームレートの重要性は以下のNVIDIAのツイート動画がわかりやすいです。
フレームレートが高いほうが滑らかに動いているのがわかります。
スローモーションで見ると有利さがわかりづらいですが、これがコンマ数秒を争っている対戦の時に、大きな影響としてあらわれてきます。
フレームレートが高いほうが、障害物から敵が出てくる際に早く視認できるのです。
フレームレートは、パラパラ漫画の枚数ですね。最初と最後が同じで、その間の時間は同じとして、その間の枚数が多いほうが滑らかですし、少ないほうが荒くなります。
低いフレームレートの場合、ガクッと移動していると思いますが、その分の描画が一気に行われます。スローモーションで見ると瞬間移動みたいですね~。フレームレートが高いと、この描画の数が増えるため、より早く敵を見つけることができます。
ラグい時とかに、キャラクターががくがくと飛び飛びに描画されると思いますが、見えない時にラグくて敵の描画が飛び飛びだと、突然目の前に現れたように見えます。要はそれと同じです。短い時間の間という形になりますが、144FPSより60FPSのほうががくがくしているわけですね。倍以上の差があるわけですね。
現実世界の表示は「連続」なのですが、記録された映像表示は「非連続」です。
映画のフレームレートは24FPSですし、地デジは約30FPSですね。映画は1秒間に24枚の画像が切り替わることで、映像として見えるようになっている、というのが、この世の「非連続」な映像表示になります。まあ、デジタルは映像以外にも音とか、すべてが非連続なんですよね。
この非連続の場合、分割する数が大きければ大きいほど、現実世界の連続した世界に近くなるのです。1秒間を30個に分割するか、60個か144個か、という形ですね。
当然、30個に分割するより、144個に分割したほうが滑らかです。障害物の裏から敵が出てくるときの描画も、144のほうが先に視認できます。
極端な言い方ですが、144HZの場合は腕とか足とか武器とかが障害物から出てきた瞬間に敵に気づけるのですが、60では体が半分でてからでないと気づけない、なんて感じです。
これ結構大きくて、COD bo4をプレイしていた時、設定を間違えて60でプレイしていた時の成績と、144にしたときの成績だと、自分の場合は1.5倍から2倍ぐらい戦績に差がでてました。
個人差はありますが、非常に重要な要素です。
できれば、その時販売されているGeforceシリーズの、70か80を買っておいて、数年は144が問題なく出せる、という環境にしておくのが、対戦シューターゲームをやる人にはオススメです。
まとめ
長々と書きましたが、ゲーミングPCを買う際のグラボをどうしようかな~ぐらいだったら、知識はそんなに必要ありません。
最低限、このぐらいの型番ならばフレームレートがそこそこ出るな~ぐらいで良いです。
2019年で買うならば、お金がないないら2060、お金があるなら2080、ぐらいでもいいと思います。
ゲーミングPCの場合は、とりあえず、PCの電源が入って、ディスプレイとグラボをつなげたら画面が映って、そこそこのフレームレートでゲームがプレイできれば、それでいいわけなので。
拘る人にとっては、最低限にも足りない知識かと思いますが、普通の人が、適当に必要な知識だけを参考にしてもらえればな~と思います。