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バンダイナムコエンターテインメントが出しているiOS/Android向けアプリ『スーパーロボット大戦X-Ω』に、ポプテピピックが期間限定で参戦、というのを見まして。
そういやポプテピピックってアプリゲーも出てたよな~と思いまして。
まあ、ネタアプリだけどプレイしてみるか、と思っていたのですが、すっかり忘れてまして、今回の件で思い出したのでちょっとプレイしてみました。
あんまりこういうゲームはプレイしないんだけど…と思いつつ、ポプテピピックだから、ということで。今更ですが。
ゲームをプレイしてふと、ポプテピピックって何だったんだろう…とどうでもいいことを思ったので、ゲームを振り返る前に、ポプテピピックって何なの、というところから書きたいと思います。
筆者は「ポプテピピック ポップアップショップ」でパーカーを買ってしまうぐらいの感じです。
ポプテピピックとは
ポプテピピックとは、竹書房のWebコミックサイトの まんがライフWINに2014年から掲載されている4コマ漫画です。
テレビアニメにもなっています。前述したとおり、モバイルゲームも出ています。
作風として時事ネタをブラックな形で取り入れることが多いです。
一巻の帯に「とびっきりのクソ4コマ!!」とありますが、その自虐も含めてのブラックなネタがウリな漫画です。
また、他のアニメや漫画、ゲームのネタを使用することも多いです。とても危険なマウス的なネタもあったりします。
格闘ゲームのネタが意外と多かった印象があります。
昔のゲーム・漫画ネタは80年代、90年代のものが多いため、そのあたりの知識がない人はほぼ元ネタはわからないんじゃないかと。
作中では時事ネタをブラックユーモア化して表現しているものも多いため、そちらのほうが受け入れられた原因かもしれません。
別の漫画で流行っていた「今日も一日がんばるぞい!」をパロったり、竹書房を破壊したり、キャプテン翼の頭身でピピ美の絵を描いたり、ドラゲナイが落ちだったり、「君の名は」をすぐにネタにしたり、サブカルクソ女なんて言葉を出したり、など、など。
切り出した一コマが、ツイッターで行われるコミュニケーションの中で非常に使いやすかった、というのも流行った要因の1つかと。
ユーチューバー罪で逮捕された、などのネタは不覚にも笑ってしまいました。こいつ、ナワバリバトルのやりすぎで頭が…、とかもうまいな、と。
ラインスタンプっぽさがある一コマは、コミュニケーションツールとしてツイッター上で使いやすかったですよね。実際にラインスタンプ展開もされました。ラインスタンプ自体をネタにした話もあり、そのコマの絵がそのままラインスタンプにも採用されてました。
作者自身が特定のコマをツイッターでアップしてサイトへ誘導したりと、SNSでの拡散を上手く利用していた印象です。いつ頃からか忘れましたが、作者がツイッターで呟いた直後にサイトに飛ぶと、サイトが表示されないぐらいにアクセスが混み合っていて、かなり人気なんだなと実感したことがあります。
2018年1月のアニメ化の際には、30分のうち前半と後半15分ずつ、ほぼ同じ内容で別の声優を起用し、さらに毎週放映ごとに声優が変わるという、非常に画期的な手法で話題を集め、相乗効果でさらにSNSで盛り上がる、というマーケティングとして非常にうまい手法を取っていました。(企画の変更などでやむを得ない部分もあったみたいですが)
本当か嘘かはわかりませんが、制作のキングレコードの勘違いで3か月遅れた、的な話で、それを漫画でもかなりネタにしていましたね。
2019年4月1日に新作テレビスペシャルも放映されました。同時に放送された各媒体ごとに声優が違うというのもこれまた話題になった試みでした。
ポプテピピックのアニメ企画は、思いつくのは思いつくだろうけどよくこの企画にゴーサインを出せたな…というものでしたね。実際にお金を出すところの責任者がすごいと思います。
絶対に当たるという数値的な根拠があったのか、なんてところは聞いてみたいですね。キングレコードさんなんでしょうかね、統括責任者とかがいるのは。採算としてはどうだったんでしょうか。
☆色(ほしいろ)ガールドロップ
セカンドシーズンの開始時に、嘘連載として始まったシリーズです。
こういう仕掛けが上手い漫画でもあります。
アニメ化の際も、こちらの星色が嘘予告で出てましたね。
アニメ版では次回予告が全てこの星色ガールドロップで、普通に良くできていたのが面白かったです。
本作がないのにアンソロジーを出すという、徹底的にネタに走った使い方がされています。
ポプテピピックの中ではある意味定番のネタとして昇華した感じです。
今後もどういう形で使ってくるのか楽しみでもあります。
ポプテピピックのコミック関連
以下の、竹書房のWebコミックサイトの まんがライフWINにて2014年から掲載されています。
連載当初のポプテピピック、続いてのセカンドシーズン、シーズン3と続いています。一応シーズン4もありますが、シーズン3と4を合わせてシーズン3にしている感じです。シーズン4もシーズン3の一種の「ネタ」ですね。
コミックスはそのままシーズンごと1~3巻という形で発売されています。
ポプテピピック セカンドシーズン / 大川ぶくぶ / まんがライフWIN
ポプテピピック シーズン3 / 大川ぶくぶ / まんがライフWIN
以上のリンクでは各シーズンの一部を読むことができます。
新連載も以下で始まっています。URLがpopute5なんですよね…。お約束的な…。
連載時は全てwebで掲載されているのですが、時間とともに一部のみの公開に変わります。
すべてを読みたい方は、コミックスを購入する必要があります。
コミックスのほうが割と「ディープ」です。
特に一巻はかなりマニアックですね。
声優、というわかりやすいフックがあるアニメに比べると、コミックスはまさに作者が揶揄する「サブカルクソ女」が好きそうな、そんなネタですね。
そういえばアニメでもネタにしてましたね~、サブカルクソ女を揶揄してるのにサブカルに媚びを…、的なセリフをモブキャラに言わせてた気がします。
落ちなし、パロディ、コピペ、のオンパレードですが、それがこの作品の味でもあります。
ポプテピピックのアニメ関連
アニメの放送も非常に画期的でした。
ティザーなどで作られていた嘘予告の星色ガールドロップから始まり、見ていたら15分で終わったうえでの後半の15分で「再放送」が始まります。
再放送が出たら出たでオープニングからして前半と同じなのに、ポプ子とピピ美が出てくると声が前半と全然違ってまして。リアルタイムで見ていた時は、「本当に勇気あるな~」という感想しか出ませんでした。
次の声優は誰なんだ、今回の声優は過去アニメのこの役をやった人だ、とSNSで非常に話題になりました。またポプ子とピピ美の声優の組み合わせも話題になりました。何かのアニメで共演していた、とか。
昔、サンデーで連載されていた「かってに改蔵」で、「ダメ絶対音感」ってのがありまして。アニメやCMのナレーションから何の役の声か誰の声なのかすぐに判別できるという、生きていくうえで何の役にも立たない能力のことをちょっと揶揄した言葉なのですが、そのダメ絶対音感を遺憾なく発揮したツイッタラーがたくさんいましたね。
例えばですが、クレヨンしんちゃんの声優さんが担当した回では、まさにその「しんちゃん」や「ひまわり」の声でタイトルコールをしたりなど、好きな人がちょっとニヤッとしてしまう仕掛けがたくさんありました。
この声優の起用方法は、話題作りとして大成功でして、まさに、やったもの勝ち、的な施策でした。
しかしながら、動画再生数という意味では大成功でしたが、最終的な採算、という意味ではどうだったんでしょうね。
声優さんの拘束時間に対する金額って昔はそんなに高くなかったんですよね。もちろん大御所さんになると違うんでしょうけど、そこそこ名前が売れている人でも、あ、そのぐらいですか…的な。もちろん企業としてお金を出せるからこその「有名な女優さんとかタレントさんに比べれば」「そんなに高くない」ですが。
そういう意味では費用としてはどうなんですかね。ブルーレイの売り上げ数とか、イマイチちゃんとしたところの数値が見つからなかったので推測もしづらいところです。
ネット上での盛り上がりがメインだったため、ネット上でのマネタイズが重要な作品だったのかもしれません。まあ、それだけでも十分儲かってそうに見えましたが。
覇権は、取れたんですかね…。
魅力としては「声優」さんの起用方法が一番なのですが、一話見ると実質一話を二回見ていることと同じなので、「声優」という売りだけで円盤を買うかというとちょっと考えてしまうという、訴求が難しい商品でもあます。
内容としては非常に面白いため、一度も見たことがない、という人は一話だけニコ動やアベマなどの公式のサイトで見て、購入するかどうかを決めるのが良いかと思います。
有名な声優というわかりやすいとっかかりがあるため、アニメ好きにとっては優しい感じになっています。
一般の人が見ると、やはり意味不明だったようです。一緒に見ていた家族は?状態でした。
ただ、一般的な知名度が一気に上がったのはやはりアニメの効果だったと思います。昼休憩でぼんやり聴いていたラジオで、ポプテピピックのネタを投稿してくる人がいたりなどがありました。普通に考えたら出さないですからね、そんなところには。特にアニメが好きなパーソナリティというわけでもなかったですし。
そんなところからも、今までの閉じたサブカル的な空間から飛び出したんだな、と。
一般に受け入れられたかどうかは別にして、漫画・アニメのコミュニティの外でも、ポプテピピックって今流行ってるんだーと認知されるぐらいには大きな現象だったと思います。
アニメの特徴としてはかなり練られた作りになってました。4コマをアニメにするって大変ですよね。コミックスのネタをそのまま単発でうまく映像化した場所もありますが、ある程度長編のオリジナルストーリーの中にネタを仕込んだり(レモンをなめて、とか)など、随所に工夫が見られました。
同じネタをAC部が微妙にアレンジしたり、フランス語のネタを作ったりなんて部分は、かなりシュールでして、受け入れられるかどうか紙一重なところとは言え、かなり凝っているな、という印象でした。
一番のオススメはAC部のスケッチブック芸が存在を見事に昇華させた「ヘルシェイク矢野」です。
ポプテピピックのラインスタンプ
ラインスタンプにもなっています。
ツイッターでまさに「クソリプ」としてスタンプのように送られていたあの画像が、そのままラインスタンプになっています。
動くスタンプも出てますし、三つとも持っているのですが、ネタをネタとしてわかっている人にしか送れない危険なスタンプでもあります。
アニメが盛り上がったおかげで多少市民権を得たかな…とは思います。
作者の大川ぶくぶさん
アマゾンで出版年月が一番古いもの探したら、以下の漫画が出てきました。
出版は2011/8/27になっています。
Webアーカイブで見る限りですが2008年に『3LDKM』で第8回電撃コミックグランプリの少年マンガ部門優秀賞を受賞し、この作品で単行本を出したようです。
ポプテピピックで大ブレイクした形ですが、それ以外にも多くの漫画連載を持っている作家さんですね。
ポプテピピックのゲーム
スマホアプリのゲームで二つ作品が出ています。
あとは、いろんなゲームとコラボしてますね。スキンだったり、キャラクターとしてだったり、限定だったりで他ゲームに出ていたりします。
ここではスマホアプリを紹介します。
「タケクエ(竹書房クエスト)」
これは完全にネタアプリです。
竹書房社員がポプ子とピピ美と戦うゲームですが連打するだけです。
社員を集めてポプ子とピピ美を倒して行くのですが、この社員集めがかなり大変です。ガチャがすごいことになっています。
とは言っても一部の数字がすごく大きいのと一部の数字がすごく小さいだけで、ちょっとプレイしてガチャを回して、的なゲームになります。その「だけ」が大問題なのかもしれませんが。
単純にネタで出したんだろうな、という印象なのですが、公式ページを見に行くときちんとメンテナンス情報などが出ていて、ちゃんと運営されているようです。サイトのデザインは完全にネタっぽいですが。
開発はソリッドスフィアという会社が行っているようですね。
ポプテピピック++~ポプ子ピピ美の友情大作戦~
特別アニメの放送と一緒に出たゲームですね。公式サイトのドメインが「ハラマスコイ ドット JP」なのがちょっと凝ってますね。
ゲームとしては半分放置のオートバトルのハクスラゲー、といった感じでしょうか。
意外とちゃんとしているゲームです。
こういうゲームが好きな人はハマる気がします。
課金でのアイテム購入が奨励されていますが(こういうことがさらっとできるのがこの漫画のイメージ戦略のプラスなところですね)、アイテムを買わなくてもなんとかなるので、どちらかというと課金要素の重要性は低めです。
ゲームとしてはポプ子が掛け声とともに武器を振り回してるだけなんですけどね。
シーズン5への期待とぽぷたん
スパロボ参戦でふと思ったので記憶を頼りに振り返ってみたのですが、なんだかんだですごい作品だったんだなと思います。
ネタ的な取り上げ方をされる方が作品としては良いのかもしれませんが…。
1つ気になるのは原作のシーズン5って出ないのかな、という期待というか、希望というか、です。
たまに作者のツイッターで単発で上がったり、1枚絵があがったりします。
あと、漫画ライフwinの公式ツイッターではこんなツイートが上がっています。
『ぽぷたん』って…。
10月9日開始だそうですね。
文部科学省に推薦されたいがくしゅう4コマだそうです。
楽しみですね~。いや~、楽しみですね~、新連載。
いろんな意味ですごく期待しています。